カタカナで覚える ◎ひとくちポーランド語講座◎ 今月から毎月少しずつ、簡単なポーランド語のフレーズを紹介していきます。 第1回は挨拶の言葉です。 ジェン・ドブリー Dzień dobry こんにちは ジェンdzieńは「日、昼間」、ドブリーdobryは「良い」の意味。 ポーランド語では「おはよう」も「こんにちは」もジェン・ドブリーです。 ドブリー・ヴィェチュル Dobry wieczor こんばんは ヴィェチュルwieczorは「夕方、晩」の意味。 チェシチ! Cześć! やあ! じゃあね! チェシチは親しい人同士の挨拶で、会ったときも別れるときも使えます。 |
第2回は挨拶の言葉のつづきです。 バルゾ・ミミーウォ Bardzo mi miło. はじめまして バルゾbardzoは「とても」、ミmiは「私」の与格で、ここでは「私にとって」の意味。ミーウォmiłoは「うれしく、楽しく」という意味の副詞。 文字どおりの意味は「(お目にかかれて)大変うれしい」。バルゾを省いてミーウォミとも言います。 ナズィヴァム・シェン … Nazywam się …. …と申します。 nazywać się …は「名は…である」の意味。nazywam sięはその1人称単数形。「…」のところに自分の氏名を入れて使います。 マム・ナ・イミェン … Mam na imię …. 私の名は…です。 イミェンimięは「ファーストネーム」。「…」のところに自分の下の名前を入れて使います。 ドヴィゼニヤ Do widzenia さようなら ドdoは前置詞で、ここでは「…まで」の意味。ヴィゼニヤwidzeniaはヴィゼニェwidzenie「会うこと」の生格形(doの後ではこの形をとる)。文字どおりには「(今度)会うときまで」の意味。ポーランド語では「いってらっしゃい」も「いってきます」もドヴィゼニヤです。 |
ポーランド語のアクセントは単語の後ろから2番目の音節にあります。したがって2音節の単語の場合は最初の音節を高く発音します。 第3回は日常に役立つ疑問文です。 グジェ・イェスト…? Gdzie jest…? …はどこですか? グジェgdzieは「どこ」、イェストjestは、英語のbe動詞にあたるbyćの3人称単数形。「…」のところに訊きたい単語(単数)を入れて使います。例えば、グジェ・イェスト・トアレタ? Gdzie jest toaleta? 「トイレはどこですか?」 イレ・コシュトゥーイェ? Ile kosztuje? いくらですか? イレileは「いくら、いくつ」。kosztujeはkosztować「(値段が)…である」という動詞の3人称単数形。お店でこう尋ねると、店員さんが電卓をたたいて見せてくれます。 ヤクシェ・マシ? Jak się masz? ごきげんいかが? 元気? 親しい間柄の挨拶言葉。ヤクjakは英語のhowにあたる。シェ・マシsię maszはmieć się「気分が…である」という動詞の2人称単数形。英語で言えばHow are you? ジェンクーイェン,ドブジェ Dziekuję, dobrze. ありがとう、元気です。 ヤクシェ・マシ? と訊かれたらこう答えましょう。もちろんジェンクーイェンだけで「ありがとう」の意味で使います。ドブジェも「OK/よろしい/じょうず/うまくいった」などの意味で、単独でもよく使いますから覚えておくと便利。 |
第4回は日常に役立つ否定文です。 ニエ・ロズゥミェム Nie rozumiem. わかりません ニエnieは単語の前につけて否定の意味を表します。nieを単独で使うと「いいえ」の意味。ロズゥミェムrozumiemは「理解する」を意味する動詞rozumiećの1人称単数形。相手の言ってることがわからないときによく使います。 ニエ・ヴィエム Nie wiem. 知りません ヴィエムwiemは「知っている」を意味する動詞wiedziećの1人称単数形。質問された内容を知らないときに使います。 ニエ・モーゲン Nie mogę. できません モーゲンmogęは「…できる」を意味する動詞mócの1人称単数形。後ろに動詞の不定形をつけて使えます。例:Nie mogę jechać dzisiaj. 今日は行かれません。(イェハチjechać [乗り物で]行く、ジシャイdzisiaj 今日) ニエ・ウミェム Nie umiem. できません ウミェムumiemは「…できる」を意味する動詞umiećの1人称単数形。mócが条件によってできることを表すのに対し、umiećはそうする能力があってできることを表します。例:Nie umiem pływać. 泳げません。(プウィヴァチpływać 泳ぐ) |
第5回はビールの注文の仕方です。 プロシェン・オ・ピヴォ Proszę o piwo. ビールをください プロシェンproszęは「頼む」を意味する動詞prosićの1人称単数形。英語のpleaseに似て、「お願いします」「どうぞ」「どういたしまして」などの意味でも使います。o+目的語(名詞の対格)で「…をください」の意味になりますが、oを省いても通じます。ピヴォpiwo(ビール)は中性名詞で、対格形も主格と同じ。 クトゥーレ?/ヤキェ? Które?/ Jakie? どの?/どんなの? お店の人が種類を訊いてきます。piwoが中性名詞なので、それに付く代名詞も中性形に変化します。辞書に載っている形は単数男性形で、クトゥーリィktóry(どの)、ヤキjaki(どんな)。ビールの銘柄や、生ビールか瓶かを答えます。 ドゥージェ? マーウェ? Duże? Małe? 大きいの? 小さいの? お店の人がサイズを訊いてきます。piwoが中性名詞なので、それに付く形容詞も中性形に変化します。辞書に載っている形は単数男性形でドゥージィduży(大きい)、マーウィmały(小さい)。ちなみに大きいのは500ml、小さいのは300mlです。 ドヴァ・ラズィ/チシ・ラズィ Dwa razy/trzy razy 2杯/3杯 複数注文するとき、piwoの前にこれを入れて使えます。ポーランド語は数詞の使い方が複雑なのですが、回数を表すrazに数詞を付けて使えば、その後ろに来る名詞をいちいち変化させずに済みます。もちろんpiwo以外のメニューでも複数頼むときはこれでOK。例:Dwa razy pierogi ruskie. ピエロギ・ルスキェを2つ。 |
第6回は切符の買い方です。 プロシェン・オ・イェデン・ビレト (ドヴァ/チシ/チテリィ・ビレティ) Proszę o jeden bilet (dwa/trzy/cztery bilety). 切符を1枚(2/3/4枚)ください バスや市電に乗るにはキヨスクで切符を買って、乗客自身が切符を車内のカソヴニクkasownikという器械に通します。プロシェンproszęは「頼む」を意味する動詞prosićの1人称単数形(前回参照)。ビレトbilet(切符)は男性名詞で、対格形も主格と同じ。2〜4枚の場合は複数形のビレティbilety、5枚以上は複数生格形のビレトゥフbiletówになります。 イェデン・ビレト・ナ … Jeden bilet na …. 「…」の切符を1枚ください 映画館や劇場の窓口で切符を買うとき「…」に作品の題名を入れて使います。もちろんプロシェンproszęをつければ、より丁寧。 ナイブリシュシィ・ポチョング・ ド・クラコーヴァ(ヴァルシャーヴィ) Najbliższy pociąg do Krakowa (Warszawy). いちばん早いクラクフ(ワルシャワ)行きの列車 駅の窓口で切符を買うとき、do(…へ)の次に行き先の駅名を生格形にして(これが面倒くさい!)使います。ナイブリシュシィnajbliższyは「いちばん近い」、ポチョングpociągは「列車」。なお言葉が不安な場合は、行き先と時刻を紙に書いて見せるのが確実。 ドラ・ニェパロンツィ/パロンツィ Dla niepalących/palących 禁煙席/喫煙席 ekspres(特急)やIC(インターシティ)およびEC(ユーロシティ)の場合は座席指定券を買います。禁煙席か喫煙席かが選べます。レストランでも使える表現ですね。語尾のchは、のどに呼気を通しながら日本語の「ク」を発音しようとすればこの音になります。ドイツ語のBachのchに似ています。 |
第7回は役立つ疑問文の続きです。 ツォ・ト・イェスト? Co to jest? これは何ですか? ツォcoは「何」を意味する疑問詞。トtoは「これ/それ」を表す代名詞。イェストjestは「…である」を表す動詞bycの3人称単数形。複数のものについて尋ねる場合、bycの3人称複数形はソンsaなので、ツォ・ト・ソン?になります。 ト・イェスト・ビゴス To jest bigos. これはビゴスです ツォ・ト・イェスト?に対する答えはト・イェスト…です。複数の場合はト・ソン…と答えます。ビゴスに関してはエッセイの第7回を参照のこと。 クトー・ト・イェスト? Kto to jest? これはだれですか? クトーktoは「だれ」を意味する疑問詞。答えは例えば、ト・イェスト・ボグダンTo jest Bogdan.(これはボグダンです)のようになります。 チィ・トゥ・イェスト・トアレタ? Czy tu jest toaleta? ここにトイレはありますか? チィczyは文頭につけて「…か?」と疑問を表す助詞。トゥtuは「ここに/ここで」を表す副詞。トアレタtoaletaは(公共の)トイレ。toaletaを他の名詞に入れ替えれば応用が利きます。 タク・イェスト/ニェ・マ Tak, jest./Nie ma. はい、あります/ありません タクtakは「はい」という肯定の返事。否定の返事はニェnie。物が存在しないときはニェ・イェストではなくニェ・マといいます。ひと昔前のポーランドではどこのお店でもよく聞かれた言葉です。 |
第8回は季節の挨拶などです。 ヴェソーウィフ・シフィヨント! Wesołych Swiąt ! メリー・クリスマス!(または) 復活祭おめでとう! ヴェソーウィwesołyは「楽しい、陽気な」を意味する形容詞。シフィエントswiętoは「祝日」を表す中性名詞。シフィエンタswiętaはその複数形で、クリスマスと復活祭の場合、この複数形を使います。祈願・願望を表す場合はその生格形を用いるので上のような形になります。 ボージェ・ナロゼニエ Boże Narodzenie クリスマス Bożeボージェは「神の」を意味する形容詞の中性名詞にかかる形、ナロゼニエnarodzenieは「誕生」を意味する中性名詞。文字通り「神の誕生」がポーランド語のクリスマスです。 ヴィエルカノツ Wielkanoc 復活祭 文字通りに分析すれば、wielka「大きな」noc「夜」となりますが、これはこれで一語の女性名詞。復活祭は毎年立春のあとの最初の満月後の日曜日。翌月曜日もポーランドでは祝日。2005年の復活祭は3月27、28日です。 シチェンシリヴェゴ・ノヴェゴ・ロク! Szczęśliwego Nowego Roku ! 幸福な新年を! シチェンシリーヴィszczęśliwyは「幸福な」を意味する形容詞。ノヴィ・ロクNowy Rokが「新年、正月」。これも祈願・願望を表すので全体が生格形になっています。 |
第9回は自己紹介をしてみましょう。 なお初対面の挨拶は第2回を参照のこと。 イェステム・ヤポンコン イェステム・ヤポンチキェム Jestem Japonką. Jestem Japończykiem. 私は日本人です。 イェステムjestemはポーランド語のbe動詞に相当するbyćの1人称単数形。ポーランド語では動詞の人称変化で主語がわかるため、強調するとき以外はいちいち「私は」とは言いません。日本人(女)の主格はヤポンカJaponka、(男)はヤポンチクJapończykですが、być動詞の補語になるときは、それぞれヤポンコン、ヤポンチキェムという造格形をとります。 イェステム・ス・トキヨ Jestem z Tokio. 東京から来ました。 ズzは「…から」を意味する前置詞。後に来る名詞は生格形をとりますが、トキヨTokioは変化しないのでそのままです。そのかわりTの前でzが無声化するので、発音はsになります。ストキヨとくっつけて発音します。 イェステム・フォトグラーフェム/ マラージェム Jestem fotografem/malarzem. 私は写真家/画家です。 補語(造格形)を入れ替えればいろいろな職業に使えます。女性の画家はマラルコンmalarką、音楽家はムズィキェムmuzykiem、詩人はポエトンpoetą、女性詩人はポエトコンpoetką、俳優はアクトーレムaktorem、女優はアクトルコンaktorkąなどなど。 プラツゥーイェン・フ・フィルミェ Pracuję w firmie. 会社で働いています。 プラツゥーイェンpracujęは動詞プラツォヴァチpracowaćの1人称単数形。ヴwは「…で」を意味する、英語のinに相当する前置詞。後に来る名詞は前置格形をとります。フィルマfirma(会社)の前置格はフィルミェfirmieです。fの前でwが無声化して発音はfになり、フフィルミェとくっついて発音すると最初のfはあまり聞こえません。 プラツゥーイェン・サモジェルニェ Pracuję samodzielnie. フリーで働いています。 サモジェルニェsamodzielnieは「独立・自立して」という意味の副詞。自営業、自由業の人はこれを使いましょう。 |