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以下は隣人と話したことだ。彼は私よりかなり若いのだが、昔の様子を憶えていて、私と嫌悪感を共有している。 かつて私たちが子どもの頃は、12月6日の夜中にミコワイのプレゼントをもらったものだった。[訳註:12月6日は聖ミコワイの日。ポーランドの聖ミコワイはサンタクロースのモデルとなった聖ニコラウスにあたる] 枕の下の(靴下の記憶はない)聖ミコワイからのプレゼントはお菓子がぎっしりで、必ず金色の小枝が付いていて、私たちに過去の過ちを思い出させ、将来の罪について警告するというものだった。お菓子の中でも名誉ある位置を占めていたのはつねにピエルニク[ジンジャーブレッド]のミコワイだった。美しい司教の衣装と冠を身につけ、司教杖を持ち、ひげを生やした聖人の、紙の肖像が貼り付けてあった。 この12月の晩には、ミコワイと悪魔と2人の天使を乗せた辻馬車がクラクフ中を走り回った。このミコワイは聖ミコワイの衣装を着ていた。赤い上着姿のこびとではなかった。ついでに言えば、サンタクロースなんてものがいったいどこからポーランドにやって来たのだろうか。 現在のミコワイはまったく気に入らない。とりわけ、赤いこびとのクローンの群れが、クリスマスの時期になると、世界中はおろかクラクフの通りまで歩き回るのは勘弁してほしい。彼らは(ポーランドで、クラクフで)ミコワイの伝統を歪曲し、浅薄化している。 クリスマスには、私たちはイヴにツリーの下で「天使からの」プレゼントを受け取ったものだ。だがいまそんなことをだれが憶えているだろう? いまやプレゼントをくれるのは聖ミコワイという名の赤いこびとだ。じゃあ12月6日のミコワイはどうなったんだ、死んだのか? あの聖ミコワイは両親のようだった。小枝とピエルニクの肖像が入ったささやかなプレゼントを持ってきて、私たちを愛してくれ、私たちも彼を愛していた。 子どもたちはそれを検討することなく、私も含め皆プレゼントがもらえる、ミコワイ、クリスマス・イヴ、厳寒じいさん、という3回のチャンスを喜んでいた。ただ私は自分の「名の日」が12月18日なので、ひそかにがっかりしていた[訳註:ポーランドでは誕生日のほかに各人の「名の日」があり、プレゼントをもらう]。なぜかというと、名の日がいつもクリスマス・イヴとひとまとめにされ、プレゼント1つで2つの意味を兼ねることになったからだ。いまとなっては故両親に同情する。彼らにとって当時の12月はきっと相当な犠牲続きだったに違いない。だがそれはまた、私たち子どもと同じく楽しい時期でもあったのだ。 2004.12.27 芝田文乃・訳 ©2006 |